家電4品目の不法投棄状況(1)  「市民研究ニュース22年6月号再掲載」
                                            市民研究員 山田英樹
 家庭や事業所から排出される家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の不法投棄状況
を、下村研究員と米重研究員とともに、環境省、吹田市役所の担当課を訪ねて調査した。訪問先は
環境省近畿地方環境事務所産廃物・リサイクル対策課、吹田市建設緑化部道路管理課、吹田市環
境部事業課の3事務所。
 お話を伺って予想以上に不法投棄が問題になっている状況が分かってきた。小売業者、リース・
引越業者を通じてメーカーに引取られて鉄、銅、アルミ、ガラス等に再資源化された家電4品目の廃家
電は、平成17年度の環境省のアンケート調査では、総排出台数の約51%にすぎない。残り約49%は
中古品の取扱業者による引取りであり、中古品として再利用されているものや、海外に輸出されて
いるものもあるが、無管理状態の中で不法投棄されているものがあると推測される。
廃家電の不法投棄が防げない家電リサイクル法の問題点が指摘されている。

1.環境省・廃家電4品目の不法投棄台数 (1494自治体のデータ集計)
年度 13 14 15 16 17 18 19
投棄台数 132,153 165,727 174,980 172,327 155,379 132,084 115,815
 @不法投棄台数は平成15、16年度をピークに減少している。
 AH19年度の不法投棄対応決算額は、自治体平均値で 628千円。(全1811市区町村)
 B家電リサイクル法の認知度が上がり、法施行5年目の平成17年度から減少傾向。
 C北京五輪前に、銅等の資源価格が急騰した平成16年度から18年度でも減少している。
 D家電買替え時に、リサイクルポイントが付いた平成21年度からはかなり減ると期待される。

2.吹田市に不法投棄された廃家電4品目の台数(時系列推移)
年度 13 14 15 16 17 18 19 20
投棄台数 203 361 380 732 684 676 427 283
 @平成16年度から平成18年度の投棄台数は非常に多い。銅等の資源価格が高騰した時期
  と一致している。
 A市の不法投棄対応の負担リサイクル料は、平成20年度で 667千円。(回収費用は含まず)
 B市の事業課と道路管理課が不法投棄対策に真摯に取り組まれ、投棄が減ってきている。

3.次の写真はこの原稿を作成するために、最近撮影したものです。
   家電の不法投棄状況「警告看板」「投棄されたテレビ」
 (警告看板が設置されている場所がある)  (銅等の材料を取った後に投棄されたテレビ)
4.家電小売店は消費者から役目を終えた家電品を引取り(有料)、メーカーに引渡しています。
 
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