シャープ・家電リサイクル工場の見学「市民研究ニュース22年3月号再掲載」
                                          市民研究員 山田 英樹
 昨年6月にパナソニックのリサイクル工場を
見学したが、今回はBグループ(注1)に属する
シャープが44%出資する枚方市の関西リサイ
クルシステムズ(株)の本社工場を見学した。
 事前に当方の活動内容、見学の目的等を
伝えていたためか、通常の見学コースではなく、
より専門的な説明をパワーポイントで受けた後
に、ヘルメットを被り約40分、工場の内部を案
内していただいた。作業されている方や機械
装置のすぐそばで、丁寧に説明をしていただ
き貴重な経験をした。
 家電エコポイントの買い替え需要により、工
場はフル操業の状態で活気があった。エアコ
ンは夏場に、テレビは年末に引き取り台数が
急増するようだ。
■関西リサイクルシステムズ(株)は枚方市の
工場地帯の中にあるため、限られた敷地を有
効に利用するため、3階建の空間を高さ方向
に有効に活用された工場との印象を受けた。
 今回、工場の中までご案内をしていただき、
作業内容や機械設備を近くで見ることができ
て、手作業が案外多いことを感じた。このため
に作業負担の軽減や、防塵等の作業環境の
改善、解体を容易にする機械等、いたるところ
に工夫がなされており、破砕に入る前の工程
は3K(きつい、汚い、危険)の仕事と改めて感
じた。
 破砕や選別の大型機械設備は、テレビ画面
で見えるようになっていた。冷蔵庫の筺体部分
を破砕する部分は画面で見えるようになって
おり火花が散り迫力があった。代替フロンは爆
 
発性があり安全確保には技術的にさまざまな
工夫がされているようだ。
 
■リサイクル素材として利用し易いように、混じ
りものがない鉄、銅、PP、PSを選び出すような
工夫が、手作業段階や機械選別工程で取り
入れられていた。利用例として、洗濯機のドラ
ムに使われているプラスチック材料は、再利用
されて2巡目に入っているとの説明があった。
■困りごと(お願い)
 冷蔵庫の中に放置された食品が腐敗して、
特に夏場に作業されている方が苦労されてい
る話を伺った。冷蔵庫のおおまかな解体は、
人手の作業であり、働く人の作業環境を少し
でも改善するために、冷蔵庫の中は空にして
からリサイクルに出していただきたい。
■工場の見学は前向きに受けていただけるこ
とを伺いましたので、リサイクル費用の使われ
方を理解するためにも見学されることをお勧め
します。同社のHPから申し込めます。
■(注1)家電メーカーが2つのグループに分か
れており、2001年時点で新たにリサイクル
工場を開設したメーカーがBグループ(21社)。
  ヘルメット姿で工場見学
      ヘルメット姿で工場見学
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