施設案内から学ぶ

        施設案内PT 辻千代子
 市民研究ニュース 26年10月号 再掲載
 わたしがプラザに関わり始めてから二十
数年が経過しますが、最近は大きなことを
望まなくなり、自分に出来ることから実行
し、環境教育の機会に直接触れてみること
が大切だと思うようになりました。そこで、
小学校のリサイクルプラザの見学説明にも
率先して参加できるようにするため、施設
見学者の案内人にも登録を行いました。
 今の子どもたちは、環境のことをどのよ
うに考えているのでしょう? 私はこれま
で子どもたちにとっては、環境問題という
と敷居が高すぎるのではと思っていました
が、施設案内の説明をするようになってか
らは、自分の認識不足だということに気が
つきました。子どもたちは、短時間で施設
を回りしっかり学習して帰っていきます。
施設案内の様子 子どもたち
と一緒に施設
を回りますと、
短時間でも自
分が担当した
子どもたちは、
かわいいものです。「分けたら資源、混ぜた
らごみやで」とか、「トイレは大丈夫?」そ
んな話をしながら、子どもたちがはしゃい
でくれたらそれで自分も満足していました。
 リサイクルの様々な工程を、実際に自分
の目で見て学んでもらうことで、目的は達
成していると思っていました。でも、それ
は大きな間違いであると感じた出来事があ
りました。私が最終の時間を気にしながら
集合場所にもどった時のことです。担当し
た学級の子どもたちが席につくと、担任の
先生がお話しをはじめられました。
 私は始め何のことかわかりませんでし
 
施設案内の様子 たが、だんだ
ん聞いている
うちに、私も
子どもたちと
一緒にうな垂
れてしまいした。
 正しくまた、楽しく案内することを第一
と考えていた私とは違った、教育者の面か
ら見たことを話されていました。
 「君たちは千里リサイクルプラザに遊び
に来たのではありません。環境のことを学
ぶため、6時間分の授業の時間を使ってや
って来たのです。その分ちゃんと勉強でき
ましたか? 先生はできていないと思う。
4年生にもなって情けないと思いませんか。
見学中、破砕選別工場の中央制御室でもそ
うでしたが、アルミ缶の選別工程では臭い
くさいと叫んでいました。だれが臭くした
のですか。缶に物を詰めたり、缶を洗わな
いで出すから臭くなるという説明を聞いた
でしょう。その後も、電気のついていない
廊下では、暗い暗いと騒いでいました。君
たちはここに遊びに来たのですか。先生は
とても情けなかった。」というお話でした。
 この10分ほどの話が、この日、施設案
内係をした私には、大きな収穫になりまし
た。話の内容は素晴らしいもので、本当の
『教育とは何か』を見た気がしました。そ
して、深く感銘を受けました。
 私たちも学校での授業(環境学習支援)
の時に活かさなければと思いました。
 小さな出来事から、大きなことを学び取
りました。市民研究員は、取組の効果や不
足点、問題点を検証していくことのできる
立場にいます。身近な事の中で感じたこと
から輪が広がって行けばと思います。施設
案内の中で素晴らしいことに出会いました。
次は、ぜひとも学校の授業を参観する機会
を得たいと考えています。
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