環境にいいお店を作り隊プロジェクト:馬場高志 
1.取材報告の背景
 環境にいいお店を作り隊(以下、作り隊)は今後、容器包装の削減として消費者自身が取り組めるレジ袋を取り上げ、これまで培った大手スーパーとの協力関係を活かし、吹田市内におけるレジ袋の削減推進、特に効果が高いと言われるレジ袋の有料化導入を目標に、様々なアクションを行います。
 今回の報告は、レジ袋削減に対し作り隊が取り組むべき方向性を模索・検討するため、10月17日の昼下がり、業界団体として発言力の大きい「日本チェーンストア協会(スーパーが主要会員、以下、協会)」の担当理事に直撃!取材し、小売業界全体としての意見を確認したものです。

2.小売業者に対する過度の負担
 容器リサイクル法による再資源費用の負担は、小売業者(容器包装企画・利用者)と原材料メーカー・エネルギー企業の負担が99:1とアンバランスである。
 また容器包装減量にはレジ袋削減は不可欠で小売業者自身も一定の負担は必要だが、同時に行政および消費者も負担・努力が必要ではないか。現状はそうした姿勢が見られない。

3.レジ袋有料化に対する小売業界の実態
 各種アンケートでは消費者の7〜8割がレジ袋有料化に賛成というが、裏返せば2〜3割は反対または買い物場所を変えるということ。一店舗単独で有料化に取り組むには影響が大きすぎる。共同歩調が必要。
 また同じ小売業界でも、紙袋の有料化への波及を恐れる百貨店業界、少量購入のため消費者負担が相対的に大きいコンビニ業界、規
 
模拡大に邁進し環境問題に関心の薄いホームセンターやドラッグストア業界など、足並みが揃わない。さらに協会に加盟していない中小スーパー等の協力も得にくい。

4.有料化に関する政策への要望
 レジ袋税の実施を検討する杉並区の取り組みをみると、行政は対小売業者、対区民とも、声を掛けやすい相手(大手スーパー、消費者団体等)と協力するばかりで、地道な取り組みや区を挙げての対応・推進が見られない。
 部分的にしか協力が得られない有料化を実施するよりは、小売業者が抜け駆けできないよう法制化を優先してほしい。
 消費者団体は、批判のための調査や小売業者への圧力ばかりでなく、消費者に対する啓蒙を通して、レジ袋の有料化が導入しやすい土壌を作ってほしい。
 今後は、小売業者自身が有料化へ前向きに取り組む一方で、消費者も行動を改め、また行政・消費者団体がそうした行動変容を啓蒙・啓発するなど、三者がスクラムを組んで取り組むことが望まれる。

5.感想
 小売業者側の悲痛な叫びや、玉石混交の業界事情を垣間見ました。また行政や市民の前向きな姿勢がなければ、小売業者として手放しでレジ袋の有料化を容認することができないことにも、頷かざるを得ません。
 本取材を通じ、スーパーと連携しつつも、消費者に環境にやさしい生活を訴える『環境にいいお店を作り隊』の役割が決して小さくないことを感じました。

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環境にいいお店を作り隊プロジェクト レジ袋削減・有料化に関する 日本チェーンストア協会 取材報告