「参加と責任−より善き考えを得るために−」
 執筆 主担研究員 滋賀県立大学
            土屋正春教授

1 現代の「権利」が意味すること
 現在の権利の内容は、人間一人ひとりの
自主的なあり方を問うものになっている。
サービスの受け手としての権利ではなく、
全体の中での個人のあり方、全体のために
何をするのか、それができるように個人を
支えるという性質が強くなっている。たと
えば、正しい情報を得る権利のように。
問題は情報を得て何をするのか?だ。

2 30年間の時間の流れの意味
 こうした傾向は水俣病関連での地元関係
者の発言にもよく現れている。1959年
に超党派議員調査団を迎えた患者代表の
挨拶と、1990年に環境庁長官に訴えた患
者の言葉には30年の時間が流れており、
個人と全体に関する意識の変化がわかる。

3 他の人々に対する責任
 今後の将来世代に対してなぜ責任がある
のかは多くの議論があるが、胎児性水俣病
患者について考えれば解るように、後の世
代の「生命体としての健全性」の維持改善
のための努力義務を現世代が追っている
ことは間違いない。
 また、途上国あるいはそれ以下の生活レ
ベルにある人々に対する責任も同じで、こ
れらの人々から私たちの努力がどう評価さ
れるのか、私達は自らの立場を常に見直す
努力が必要だ。
 
       市民研究員 打越明美

 講座を終え、考え悩みました。
 先生は、「未来に何か、何をしていますか?
企業ではこんな取り組みをしています。」と言
ってパンフレット(冊子)を配布されました。

現代はインターネットで世界中の情報がとても
早く到達するようになりました。とても便利だと
思います。でも、困惑することもあるでしょう。
人類は先人の知恵を使い、受け継ぎ現在の
生活をしていると思います。
「365歩のマーチ」歌詞の一節に
  あなたのつけた足跡にゃ
   きれいな花が咲くでしょう
少し立ち止まって、水辺をそっとのぞいてみま
せんか?
歩いて、野辺の草花をみつめてみませんか?
時は止まってしまうでしょう。
でも、忙しい現在だからこそ必要だと私は思い
ます。
平和でこころと体が健康であってこそ、考え将
来に責任を持てる何かができると思います。
 最後になりましたが、土屋先生 研修会、執
筆ありがとうございました。
  イラスト 「時間の流れ」
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