西村先生の市民研究員研修講座を受講して

毎月、市民研究員の代表者会議の後に、くるくるプラザの主担の先生方が市民研究員相手に研修講座をされています。1月の担当は西村隆宏先生でした。題は、「くるくるプラザと子どもたちと市民研究員、そしてときどきおじん」。先生は永年小学校で教鞭をとられた経験から、私たち市民研究員が小中学校に出向いて行っている出前講座の基本的な姿勢について、教育基本法などの法律に基づいて分かり易くお話されました。以下に、その概要を紹介します。教育関連法規を全く知らない私たち市民研究員にとって、とても勉強になりました。
 
1. なぜ小学四年生の児童が くるくるプラザに見学に来るの?
  文部省の学習指導要領によると、小学四年生の"社会科"で学ばなければならない目標は、「地域の産業や消費生活の様子、人々の健康な生活や良好な生活環境および安全を守るための諸活動について理解できるようにし、地域社会の一員として自覚をもつようにする」そして、「地域における社会的事項を観察・調査するとともに、具体的な資料を活用して、地域社会のことを考える力を養い、調べたことや考えたことを発表できる力を養う」ことです。さらに、その学習内容は、「地域の人々の生活にとって必要な飲料水・電気・ガスの確保や、廃棄物の処理について、施設を見学したり、調査したりして、これらの施設が地域の人々の健康な生活と良好な生活環境が維持されているかを知る」ことです。
 上記の学習指導要領に基づき、小学校四年生になると、家庭で分別して排出された廃棄物がどのように廃棄物処理工場で処理されているかを学習するために、くるくるプラザを見学しているのです。
 2.くるくるプラザの環境学習講座は学習指導要領の目標と内容に合致しているの?
私たち市民研究員が小中学校に出向いて、なにげなく行っている環境学習出前講座は学習指導要領に書かれている目標と内容に合致していることが望まれます。
そのためには、事前に担当の先生とよく打ち合わせをして、先生が考えている環境学習の内容に合致した出前講座になることが望ましい。
 また、くるくるプラザの施設を見学に来た四年生の児童に対しても、ただ単に施設を案内するだけでなく、説明内容が学習指導要領の目標と内容に沿った説明になっていることが望ましい。
3.また、"総合的な学習の時間"が学習指導要領に設けられている。
 現在、小学校に「総合的な学習の時間」があります。その学習目標は「総合的な学習を通じて、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、より良く問題を解決する資質や能力を育成する」そして、その内容は、「学校の実態に応じて、国際理解・情報・環境・福祉・健康など横断的・総合的な課題について学習する。」
 この総合的な学習の時間を活用して環境学習などを実施している小学校があるので、その目的に合致した出前講座であることが望ましい。
4. さらに、学習指導要領に「特別活動」の時間が設けられています。
 特別活動の学習目標は「集団活動を通じて、児童の心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的・実践的な態度を育てるとともに、自己の生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養う」ことです。
 小学校では放課後の時間や土曜日を活用したクラブ活動があります。この特別活動の時間にも、私たちくるくるプラザの環境学習出前講座が行われています。
5. くるくるプラザ発信の「環境学習発表会」が今年10回目を迎えたことに西村先生は感無量とのことでした。
子ども達が、地域で発見した課題を調査・研究した成果を発表する「環境学習発表会」は、西村先生が苦労して軌道に乗せられたとのことで、10回も継続できたことに先生は感無量だそうです。これからも発表会が継続することを願っています。
                    (文責: 金子)

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