子ども達の体験学習案内記 その2 −破砕選別工場 缶手選別作業場からの情景から−
                                                 業務担当 岡原 和博
 破砕選別工場の缶選別作業場が近づいてくると、子ども達から「くさー。」「この臭い、何やねん。」「たまらんわー。」「早よう行こう。」というつぶやきが聞こえてきます。なかには、鼻を押さえている子どももいます。
 この臭いの中で、作業員さんは、手作業でアルミ缶の選別を行っています。
 この作業を見学しながら、子ども達に補足説明をします。
 この缶選別作業場では、資源ごみで出されたスチール缶とアルミ缶の選別作業を行っています。はじめに、スチール缶が磁石で吸い取られます。そして、残ったアルミ缶がベルトコンベヤーで作業員さんのところに運ばれてきます。作業員さんは、手早くアルミ缶を取り出していきます。本来なら、アルミ缶だけがベルトコンベヤーで運ばれてくるはずなのですが、割れた瓶もいっしょに送られてきます。おそらく資源ごみ回収の時に、間違って入れられた瓶でしょう。手作業でアルミ缶を選別している作業員さんにとっては、とても危険なことです。
 見学を終えて、缶選別場を出ると、子ども達は「ほっとするわー。」と口々につぶやきます。
 缶選別の作業場を出てから、臭いの原因について、説明します。
 この臭いは、捨てられた缶の中に残っていたコーヒーやジュースなどいろんなものが混ざった臭いなのです。臭いの原因を説明して、「これからは飲み干して捨てること。そうすればこうした臭いはなくなる。」と、説明すると、納得しています。この納得が、このような臭いの中で、手作業でアルミ缶の選別をしている作業員の方々のご苦労へ
 
の共感であって欲しいと思っています。
 この後、展示場で、リサイクルされたアルミ缶やペットボトルなどの再利用について、説明をします。子ども達が驚くのはペットボトルのリサイクルです。『粉砕されたペットボトル』を見せて、たまごケースが作られるという説明は見た目も同じようで納得します。
 しかし、『ペレット化されたペットボトル』を見せて、皆さんが着ている服の化学繊維が作られますと、説明すると、「えー。」といった反応が返ってきます。子ども達の中には、石油からペットボトルや化学繊維が作られることを知らない子どももいますので、最後に、ペットボトルをリサイクルすることは、限りある石油資源を大切にすることになると説明します。
 このような体験学習が子どもたちに新しい発見や興味関心を持たせ、発展的な学習課題を設定する機会になってほしいと思っています。
 そして、ゴミの減量や資源のリサイクルについて、実践的な態度を身に付けていく学習になることを願っています。 
リサイクルプラザ+破砕選別工場+北工場 のイラスト

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