最近、スーパーマーケットで "マイバッグ"を持参して買い物をしている人をたまに見かけるようになりましたが、まだまだレジ袋をもらっている人が多いのが現状です。私自身はレジ係りの人に「シールでお願い」と言って、レジ袋をもらうのを断っています。
 環境省は"ごみ削減"を強力に推し進める方策として「容器リサイクル法」の見直しを機会に3Rの中のリデュースを最重要視して、「レジ袋」を顧客に無償で配布しないように小売業者に要請しようとしています。
 「レジ袋」がなぜ ごみ削減のターゲットになっているのでしょうか。私なりにその理由を考えてみました。
理由―1:ごみの量をもっと減らさなければならない。
 吹田の北工場に集められたごみを見ると、プラスチック袋の多さを実感します。レジ袋は水分を含んだ台所のごみなどを排出するのにとても便利ですから、レジ袋は再利用されることなくほとんどがごみになる宿命にあります。
 北工場のごみ焼却量の推移を見てみると、ごみの焼却量が5種分別効果によって少しずつ減少していますが、まだまだごみが減ったと実感できる状態になっていません。
 ある人の計算によると私たちは一年間に約300枚のレジ袋をもらっているそうです。みんながマイバッグを持参して、レジ袋をもらう量を例えば年間100枚以下程度にまで減らせば、吹田市の燃焼ごみの量は大幅に減るのではないでしょうか。
理由―2:レジ袋を燃やすと石油由来の二酸化炭素が発生します。
 地球温暖化問題で、現在私たちに課せられた最大の課題は人の活動にともなう二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量をもっと減らさなければならないことです。 
  
 そのために、レジ袋をごみにして燃やすのを止めなければなりません。ちなみに、ある人がレジ袋を燃やすと二酸化炭素がどのくらい排出されるかを計算されたものを引用しますと次の通りです。

レジ袋を製造する時のエネルギーのCO2量は
レジ袋1gから3gのCO2が排出される。
さらに、レジ袋を燃焼したときに排出されるCO2量は
レジ袋1gから3.1gのCO2が排出される。
従って、レジ袋1gから合計6.1gのCO2が排出される。
一人一年間にレジ袋をもらう数を300枚として
レジ袋1枚の重量を10gとしたら
レジ袋300枚から
約18,300gのCO2が排出される。

理由―3:石油由来のレジ袋を燃やすと、発熱温度が高くなって大切な燃焼炉を傷める

吹田市北工場の燃焼ごみ量(T/年)の推移
  吹田市北工場の燃焼ごみ量(T/年)の推移

理由―4:石油資源を無駄に消費している。
 レジ袋を燃やして何が悪い、熱回収して発電したり、温水を利用すれば良いではないかの意見もありそうですが、限りある石油資源を無駄使いすることは、将来の世代の人たちのために持続可能な社会作りをしればならないことを考えると、好ましいことではないでしょう。
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☆文字サイズ中の場合、A4余白5mmです。

 

今、なぜ「レジ袋」がターゲットなの?      市民研究員 金子幸平