環境にいいお店を作り隊プロジェクト 馬場高志   
 環境にいいお店を作り隊PJは、豊中市減量推進課より「第6回ごみ減量フォーラム」に講演者として招待され、筆者は同PJを代表して、研究所およびPJの活動を紹介してきました。
1.フォーラムの開催概要(HPを抜粋・加筆)
 同フォーラムは、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ(玉井町)で1月25日(木)に開かれました。和歌山大学システム工学部助教授・金子泰純さんが豊中市のごみ減量計画について講演するとともに、吹田市資源リサイクルセンター(吹田市千里万博公園)を運営する財団法人千里リサイクルプラザ研究所の市民研究員である馬場高志が、スーパーと消費者による協働の取組みを発表。門真市リサイクルプラザ エコ・パークの事業運営を行うNPO法人リサイクル機構かどま事務局長の岡本和利さんが、施設での講座や催しの開催状況について話しました。
2.フォーラムの他講演内容を聞いて
 ちょっと厳しい言い方ですが、ごみ減量計画への市民参加のプロセスに関しては、吹田市より豊中市のほうが優れていると感じました。豊中市のごみ減量計画に、市民参加が美しく「計画」されており、この計画に魂が入れば百人力は間違いない、といった期待がもてる内容でした。2006年の廃棄物学会でも先進事例として紹介されており、ごみ減量計画そのもの(HPあり)は一見の価値ありです。
 ただし市民の実践面では、吹田市(≒千里リサイクルプラザ研究所)のほうが、数歩はリードしていると感じました。研究所はスマートではないが(ごめんなさい)、地に足の着いたアクティブな活動が日々行われており、ぜひ豊中市民にも、研究員の悪戦苦闘の様子を見てもらいたいと感じました(プラザの施設や研究所の講座等と違い、研究員の活動や苦労は、短時間の来館では、真の姿を伝えられないのはもどかしい限りです)。
 門真市リサイクルプラザの岡本氏の話は、その内容はもとより、同プラザの運営をNPO法人が担っていることそのものが、市民が研究所の運営に参加することの可能性を示唆しており、運営の難しさやその解決方法に強く興味が惹かれました。我々市民研究員も自らの発意で、この件について一度じっくり議論したいですね。

会場様子(講演者と聴衆の皆様)
3.作り隊PJの紹介を通して感じたこと
 私の講演は、環境にいいお店を作り隊PJのこれまでの活動、すなわちスーパーと市民の新しいコミュニケーションの場を提供し、共に環境配慮的な買物・消費者・店舗のあり方を考え、協力の仕組みを構築するまでの、様々な紆余曲折を紹介したものでした。
 私はスーパー探検隊の内容等もさることながら、スーパーと消費者の新たな関係構築のプロセスを強調したつもりでした。ただ豊中市HPでは我々の活動を『協働』という言葉で表現しており、たまたま想いを共有する人々が協力しあったといった認識に近く、同プロセスにおいて我々が苦労した点等を伝え切れなかったのは残念でした。
 逆にいうと、『ネットワーク』という言葉が示す(間違っていたらごめんなさい)ような、「お互いの長所短所を理解し、大きな目標のために、各自は小さな力であるがそれぞれユニークな役割を積極的に果たそう」、という市民研究員が無意識のうちに感じ実践していることの、特異さと素晴らしさを再認識した次第です。
 私は仕事柄、都市の特性を分析する事がよくあります。そこでは「豊中市」や「吹田市」など、行政上の区別は意味をなさず、日々の生活における市民や消費者の行動は、境目のないシームレスなものです。我々市民研究員も、便宜的に引かれた行政界や、あるいはそうした外部環境に左右される受動的な意識を超越し、ごみ減量のための新たな文化(取り組み・システム・教育等含む)を吹田市内にとどまらず、全国いや世界に発信・実践していきたいものですね。
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豊中市「ごみ減量フォーラム」に招かれて