市民研究員が見た「改正容器包装リサイクル法 (改正容リ法) 」
  レジ袋が来年は有料になるかも !!                   金子幸平

 ご存知の現行「容器包装リサイクル法」は平成7年(1995年)に制定されましたが、その後10年が経過して、この度見直し作業かなされました。そして、来年4月1日から改正容リ法が施行される予定です。
 私は、ごみの減量をテーマにして活動している市民研究員の立場から「改正容リ法」について少しだけ勉強しましたので、改正法の概略と私見を披露します。
 そもそも、現行「容リ法」は最終処分場の逼迫に伴い、廃棄物の減量促進と、資源の有効利用の促進を目的に制定されました。一方、循環型社会基本法の3Rの推進と相まって、国民の分別回収協力のお陰で、3Rの一つ 「リサイクル」 は非常に向上しました。その結果、"大量生産・大量消費・大量リサイクル" の社会になっており、総体的なごみの減量には至っていないのが現状です。
 このような現状に対して、「改正容リ法」は、リデュースとリユースをさらに推進する施策を最重要視 して、国民の3R推進努力に加えて、事業者 (容器を利用して商品を製造している製造者および販売している販売店) もリデュースとリユースに向けてのさらなる努力を推進して、大幅なごみの減量を実現しようとするのが改正法の狙いです。
 「容リ法」の見直しの際、消費者の代表は「ごみが大量に発生している元凶は、使い捨て容器(ペットボトル、レジ袋など)が大量に出回わっていることにある」として、容器の設計から最終処分まで事業者が全て責任を負うべきだとの「拡大製造者責任(EPR)」と、市町村が税金を使って包装容器を収集・分別していることは国民に不公平を生じていると訴えたようですが、結局次のような「改正容リ法」に収まったようです。
 1. 事業者はリデュースとリユースを自主的に前向きに推進する。
 2. 包装容器の収集・分別に使う税金の負担分の一部を事業者は市町村に支払う。
 
 
 3. 国民のライフスタイルを変えることを啓発する推進員を設置する。
 すでに、事業者の中には自主的にリデュースに取り組んで、いち早くごみを減らすことを計画しているところがあります。
★コンビニエンスストアの業界団体の日本フランチャイズチェーン協会は、レジ袋の削減目標
 を、2004年度のレジ袋使用量33,000 tを2014年度までに609 kgまで削減する。
★百貨店業界は容器包装使用量を2010年までに2000年比で25%削減する。
★モスバーガーのモスフードサービスは持ち帰り用のポリ袋を全廃する。
 上記のような事業者の自主的なリデュース推進の動きから、来年4月の「改正容リ法」施行を機に、スーパーなどが レジ袋を有料 にするかもしれません。
 包装容器に関る3Rの実行には大変難しい状況があります。例えば、飲料用ペットボトルやシャンプーなどのプラスチック容器を分別収集して再商品化するリサイクルは経済活動を活発にする作用があるのに対して、リデュースは利便性に反する施策であることから、経済活動にブレーキをかける恐れがあります。
 次のような流通業者の言い分があります。「製造者は市場ニーズに合わせて勝手に商品を造り、そして宣伝する。すると、消費者はそれを欲しがる。流通業者は売れる物を売るしかない。環境に配慮した商品だけを取り扱うことはとても不可能だ。」
 拡大製造者責任の問題。ペットボトルやレジ袋などで消費者は便利さを享受しているのだから受益者負担をすべきだとの問題。質の悪いプラスチック容器をサーマルリサイクルしてもよいと容認されたことよる温室効果ガス発生の問題など。「改正容リ法」には、まだまだ数多くの問題点が残っているように思います。
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