予習に勝るものはなし
 
      〜自然の色遊び 千二公民館で〜

                              染色講座プロジェクト 武本睦代
暑い!
 今日も(8/24水)きっとクーラーのない部
屋で額に汗して、喉はからからの出前講座
になるだろうと、ペットボトルを用意して
いった。ところが、グレーのしゃれたTシ
ャツ着用の担当者の方に案内されて入った
部屋には、クーラーがきいている。各テー
ブルの大なべには、湯がはってある。それ
だけではない。見本として預けておいた、
玉ねぎの皮で染めたスカーフとTシャツが、
正面に飾ってある。おまけに玉ねぎのイラ
スト入りのお品書き風「染色手順」まで用
意されているではないか。心憎いまでの準
備に驚いた。
 そういえば前回の染色出前講座(8/4木)に、
ここの館長さんと講座担当者の方がTシャ
ツを染めておられたのを思いだした。お出
迎えの洒落たTシャツは、あの講座での作
品だったのだ。

 開催時刻が近づき、参加者で満席の教室
は、期待と少し高揚した空気に包まれてい
たが、二組の親子と作務衣姿の男性のいる
グループの周りには、少しばかりぎこちな
い空気が漂っていた。だが、生地の糊落と
しや、模様付けと作業がすすむにつれ、「こ
れは、どうしはりましたか?」「洗濯バサミ
くださいな」と会話が交わされていた。
 大なべに浸かっている染物は、玉ねぎの
煮汁で黄金色。いよいよ染色の醍醐味に入
る。明るく装うミョウバンの黄金色か?シ
ックに装う木酢液の国防食色か?ここが思
案のしどころ。焙煎液で仕上がりが全く異
なるのだ。

 アイロン仕上げの頃になると、皆さん期
待以上の出来栄えに、「これいいでしょ!」
「あら、全体に模様のあるのもステキね」
と褒めたり、褒められたり。気の早い人は、
次なる作品の構想を話している。  
 終了時間が気になる。「くじの用意ができ
ていますが」と、館長さんのお言葉を合図
に、冷たいお茶が運ばれてきた。時間に余
裕ありと踏んだ辻講師からは、ジョークの
再燃で会場は爆笑の渦。
 愉快で有意義な出前講座に感謝。それも
これも、主催者の熱意と、山手公民館の皆
様の胸襟を開いての受け入れの「和」の精
神の賜物ではなかろうか!
 「何事においても予習が大切だ」と教え
られた講座でもあった。
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