三原光生
共に焼却ピットへ入れられる。
 焼却ピットではごみを均一にするために
攪拌され、焼却炉に投入される。焼却炉で
は850℃から1000℃近くの高温で焼
却され、高温燃焼の為、排ガスはクリーン
となり、焼却後の灰は5%以下に減量され
る。排熱も利用されていて、堺事業所では
発電し、本社工場では汚泥の乾燥に使われ
ている。

 D社で受け取る処理費は廃棄物の種類に
よるが、トン当り35千円程度、収集運搬
費は2トン車で10千円という事であり、
トン当り4万円という所らしい。これがD
社の収入源であり、地方自治体が行う一般
廃棄物の処理費用が4万円程度といわれ
(吹田市の場合平成10年度40、269
円/トン)後者には設備の償却費、金利な
どを含んでいない事を考え合わせると、充
分な企業努力の行われた結果であり、行政
は参考にすべきことが少なくないと思う。
 
 見学会の最後に、工場長さんは「これか
らの社会は、みんながごみを作らない事、
再生品をもっと買って再生品のマーケット
を広げる事が大切」と言われた。
 その通りだと思う。

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 大雑把にいって、わが国の年間のごみ発
生量は、4億5千万トン。その内5千万ト
ンが一般廃棄物(家庭ごみ、事業所ごみ)、
4億トンが産業廃棄物(工場など生産活動
から出るごみ)である。4億トンの産業廃
棄物の内、1億8千万トン強(45%)は再
生利用され、1億8千万トン弱(44%)は
焼却など中間処理されて、最終処分される
のは4500万トン(11%)である。
 産業廃棄物の処分は、排出者の責任で、
民間事業者により為されなければならない
のが原則であるが、豊島の例をはじめ、各
地で依然として不法投棄がなくならないの
が現状である。全国の不法投棄残存量は、
現在分っているだけで1100万トンある
といわれる。
 
 この様な産業廃棄物の現状を踏まえて,
わが国ではトップレベルの産業廃棄物の中
間処理会社、D社を見学した。
《D社の概要》
所在地:本社・工場(大阪市鶴見区)
    堺事業所(堺市)
資本金:4800万円 従業員:150人
処理能力:焼却432トン/日
     選別200トン/日

 D社の廃棄物処理の流れをみると、色々
な業種の工場や建設現場などから出た廃棄
物を収集車で収集したり、排出企業から持
ち込まれたりした廃棄物は、粗選別ヤード
に広げられ、大型のフォーク(重機)で燃
える物、燃えない物、再生できる物に粗選
別される。
  燃えない物は破砕機で更に分別され、
再生できる物は振動スクリーンにかけた後、
手選別で再生物を取り分け、更に磁選機に
より手選別でもれた金属などを取り分け、
燃える物は最初の粗選別で出た燃える物と