環境問題基礎講座Xを受講して
    効果的な施設案内PT 井上衣子

 プラザが取り組むエコ活動・全5講座の最
終回は、10月16日に「吹田市における温暖基礎講座の様子
化防止
の施策
〜よくわ
かる地球
温暖化対
策〜」
と題し
て市役所研修室で行われました。講師の環境
政策室の小山さんは多くの図表を示しつつ地
球温暖化の歴史・現状・対策をわかりやすく、
次のように説明されました。
 ◇健康で安全な生活環境の保全
 環境問題は最初、高度経済成長期の公害問
題が主でした。その対策のために、公害対策
基本法などによる排出規制の実施や、世界ト
ップレベルの公害防止技術により、日本は公
害対策の先進国になりました。公害は「予防
第一」が原則で、温暖化も同じです。日本の
先進技術を世界に広め、特に、中国には役立
ててもらいたいと思いました。
 ◇IPCC第5次評価報告書について
 世界各地において気候変動による災害が多
発し、環境の変化を身近に感じるまでになっ
ています。「気候変動に関する政府間パネル」
(IPCC)は、有効な対策を取らなければ、
地球の平均気温は今世紀末までに最大4.8度、
海面水位は82p上昇すると予測しています。
気温が4度以上上昇すると、結果として食糧
危機を招くとも警告しています。
 ◇「2度シナリオ」が国際達成目標
 産業革命後の気温上昇を2度未満に抑える
というもの。地球の気温は0.8度上昇してい
ます。今すぐCO2排出をゼロにしても、累
積するので温暖化は続き、今後0.6度上昇す
ると推測されています。
 
 
  2度シナリオを達成するには、世界の温室
効果ガス排出量を2050年までに2010年と比
べて40〜70%減らし、今世紀末までにゼロに
しなければ、とIPCCは指摘していますが、
達成するのは茨の道です。
 そんな中、世界のCO2排出量の4割を占
めながら、温暖化対策に消極的だと言われて
きた米国と中国が対策強化を表明しました。
重い腰を上げざるをえないほど、国内の異常
気象が明らかになってきたからです。
 ◇薄くなりやせ細る北極海の氷
 今月初め、北極海の氷が解けて休息場所を
失ったセイウチの大群が米国のアラスカに押
し寄せるというニュースもありました。また、
北極海航路が利用できるようになった。以前
は砕氷船でないと通過できなかったそうです。
日本のタンカーにとっては、最短距離で安全
に航行でき経済的には有利ではあるが、気候
変動のためだと考えると深刻な状況です。
 ◇吹田市の温暖化対策は国より先進的
 吹田市では、望ましい環境像を掲げ、「エネ
ルギーを適正に利用できる低炭素社会への転
換」を実現するために、CO2を2020年度ま
でに1990年度比で25%以上の削減、2050
年度までに1990年度比で75%の削減目標を
立てています。
 「すいたんのCO2大作戦」には7つの重
点施策と7つの基本原則があり、基本原則に
は「ライフスタイルの転換によりエネルギー
の無駄を省く」「高効率機器によりエネルギー
を大切に使う」「低炭素なエネルギーを使いエ
ネルギー利用に伴うCO2を減らす」など、
ライフスタイルの転換による節エネルギーの
推進と取組を掲げています。
 これ以上温暖化が進むことは困ります。環
境を守るために連携・協働することが鍵とな
ります。環境を意識した消費生活や経済活動
を進めることは、私達一人ひとりがすべきこ
とです。子どもたちの世代へ良好な環境を引
き継ぐ責任が問われています。
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