資源循環エネルギーセンターを見学して
                               市民研究員  宇藤 彰計・福井 一彦
 資源循環エネルギーセンター建物玄関側写真
 まだまだ、残暑のきつい8月30日(木)
に、吹田市のごみ処理を一手に引き受けて
いる資源循環エネルギーセンターを見学し
ました。私達の身近な所にありながら、見
る機会がありませんでした。ごみ焼却場は
大阪市の舞洲をはじめ、数カ所行きました
がガラス越しでのもので、内部の設備を見
学したことがありません。今回はヘルメッ
トをかぶり、資源循環エネルギーセンター
の職員の方の案内で工場の中を詳しく説明
して頂きました。最新鋭の全連続燃焼式焼
却炉(ストーカ炉)が2炉配置され、85
0℃以上の高熱で焼却し、ごみに均等に熱
が伝わるように攪拌して、ダイオキシンを
はじめほとんど有害物質が排出されないよ
うになっているそうです。吹田市のごみは、
平成23年度、家庭系ごみ、事業系ごみ、
破砕後可燃ごみを合わせても10万4千t
です。エネルギーセンターの処理能力は一
日480tです。フル稼働すれば220日
弱で焼却されてしまう計算になり、まだま
だ余裕があります。これだけの工場を吹田
市職員26名、タクマテクノス(委託業者)
49名で運営されています。
 かねてから、焼却される熱を利用出来な
いのかと思っていましたが、この焼却場で
はごみ焼却の際に出る熱ばかりでなく、焼
却後の灰も種々利用されています。これこ


そ、低炭素、省資源、循環型社会を形成す
るものと思います。
 まず、焼却時に発生する排ガスをきれい
にして排出する排ガス処理設備、更に排熱
ボイラーにより蒸気を発生させ、その蒸気
を利用して発電し、敷地内の諸設備に利用
するほか、余剰電力は関西電力に売ってい
るそうです。平成23年度は、売電料金が
1億78,28万円だったそうです。また、
余熱を利用して場内の諸設備への給湯もし
て、エネルギーの効率的利用を図っている
そうです。更に、ごみ焼却後の灰は灰溶融
炉により高温溶融し無害化、減容化、資源
化を図っているそうです。この溶融スラグ
はアスファルト混合物や、路盤材・土木材
料のほか、コンクリート製品の細骨材等の
資源として再利用できますが、吹田市では
主に路盤材料・土木材料として利用されて
いるそうです。しかし、飛灰というのは塩
分があり、スラグ化出来ない灰なのだそう
です。この灰は、トラックで運び大阪沖に
埋めたてて処理をされるそうです。また、
灰溶融時に、スラグ以外にメタルが出来ま
す。これは金属会社に売却されるそうです。
スラグの価格は廉価ですが、メタルは結構
高く売れ資金を稼いでいます。ちなみに、
メタルの値段は、最近では295.05円/
kgだそうです。
 最後に収集される家庭ごみは分別されて
いますが、持ち込まれる事業系ごみのなか
に金属製品が含まれていることがあり、焼
却炉の故障の原因になったこともあるそう
です。 事業所の皆さん、ごみはきちんと
分別し、新鋭ごみ焼却炉が順調に稼働する
ようご協力ください。
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