フィルムケースを利用した「万華鏡」
                                   市民研究員 本田 克彦
 
  万華鏡
         〈万華鏡〉

 今日は(1月12日)、今年初めての環境学習支援、佐井寺小学校へ、指導するおもちゃはフイルムケースを利用した万華鏡です。
 おもちゃには自信を持っているものの、生徒達は喜んでくれるだろうか内心不安ではありました。
私が最初に万華鏡に出合ったのは今から半世紀以上も前、それは昭和25年、戦後の荒廃した街並みの復旧も未だ進まない、小学校4年生の時でした。 
 当時のクラスメート、洟垂れ小僧の悪ガキばかりの中に一人だけ良家のぼんがおり、家に遊びに行って初めて万華鏡を覗いた時の驚き、その景色は何物にも形容できない初めて見るものでした。また、二度と同じ模様は現れないと聞き、万華鏡の初体験は衝撃でした。
 その後、何回か覗きに行きましたが、その子が引っ越したため、いつの間にか記憶から薄れていきました。

 万華鏡は日本で出来たものと思っている方は沢山おられると思います。実は私も日本で考案されたものと思っていました。
 物知りに聞いたところ、スコットランドのデイビット・ブリュースターという物理学者が発明したもので、英語名はカレイドスコープ
(Kaleidoscope)と言うのだそうです。 
 
 
 今では、万華鏡は皆が知っている名前ですが、昔は「百色眼鏡」や「万華鏡(ばんかきょう)」と呼ばれていたそうです。いつの間にか土産物屋や玩具屋にも置かれ、みんなに親しまれるようになり、最近では百円均一店でも売られている程ポピュラーな物になっています。
 私がその後、万華鏡に再会したのはプラザの市民研究員になってからでした。先輩たちが作った色々な玩具の中の一つに万華鏡がありました。
 プラザのおもちゃは廃品を利用するのが命題なので、色々工夫を重ねましたが市販品の万華鏡には太刀打ちできませんでした。
 市販品とはどこか違う物をと、常々考えていました。たまたまデスクの上に置いていた空のフイルムケースを見た時、これは使えるかもと思い、先輩たちの知恵を借りながら試作を繰り返し、出来上がったのが現在の万華鏡(上記写真)です。
 フイルムケースの蓋を開ければオブジェクト(具)の出し入れが出来るのが特徴です。
  万華鏡の内部
      〈万華鏡の内部〉 

 佐井寺小学校の生徒の反応は如何にと見ていると、万華鏡が完成し、中を覗いたときの反応は何とも言えない楽しそうな表情をしていました。
 おもちゃ作りをしていて、この瞬間が一番嬉しい至福のひと時です。  
 生徒たちの「有難うと笑顔」に送られ学校を後にしました。
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