ニュース200号、その役割は・・・  主担研究員 土屋正春
ニュース200号創刊!
 しみんけんきゅうニュースがなんと200号を迎えたことには、これまでの皆様の努力がしのばれて、おめでとうという世間並みの言葉ではとても気持ちを表すには無理があります。 だけどやっぱりおめでとうッ!! でもホンマかね?
 
鐘を鳴らし、実践を
 少子高齢化、格差拡大、非成長経済、そして地球温暖化と、社会的な課題が洪水のように押し寄せてきています。こうした課題の背景には日本という一つの国、一つの社会では対応できない地球規模での因果関係の連鎖があることは知られている通りです。大切なことは、将来を見通して早くから鐘を鳴らし、課題に関する正確な情報を多くの人々に提供すると同時に、具体的な取組に着手し、育てることです。
 この意味では、楽しみながらの環境運動というのはあくまでも導入部分のことで、その後の展開こそが問われることになります。

アースデイ40周年
 すでにアースデイという言葉はすっかり定着していますが、初めて開催されたのは1970年4月22日のことで提唱者はアメリカ議会上院議員のゲイロード・ネルソンでした。今年は40周年になるのですが、ネルソンの考え方にはこうした運動を展開する場合のとても大事な要素が含まれているのです。
 まず、ネルソンが強く感じていたのは、当時のアメリカ社会を覆っていた公民権運動やベトナム反戦運動に比べて、地球規模での汚染など環境問題に寄せる国民の関心の低さでした。国民の意識改革をどう推進するかが課題なのです。この点は今も変わっていませんね。
 運動の進め方をめぐり議論は対立します。全国的なインパクトを与えるなら規律ある統一的な手法が効果的だとする立場と、誰でもが自分が好きな方法で参加すれば良いという立場です。
 
 
 問題の背景には現在の社会の「生活」があるだけに、ネルソンは「草の根」こそが基本になるとして有名な言葉 " They can do as they want."を打ち出したのです。したいようにして構わない、ということでしょう。大切なのは、草の根と生活者とを足すと、それぞれのペースで、ということがベースになる、それがベストだということです。

これまで と これから
 これまでの活動をふり返ると多くの変化に気づきますが、一番の変化はパソコンの登場でしょう。「吹田ごみ物語」の編集当初は毎週のように皆で大阪学院大学のパソコンルームで作業をしていたのが思い出されます。アメリカもイギリスも市民サイドの研究を支援するために政府が管理してきた各種の行政情報を2000件、3000件の単位でいっせいに提供し始めています。こうして情報の獲得が格段に容易になった今、問われるのは問題意識です。これについての研鑽は外部からは見えにくいために、成果の外部発信の努力がこれまで以上に求められるのは間違いありません。

実践を通じた交流を
 より多くの人々が参加する市民研究所にするためには、以前に比べて「物知り」になった市民を「実践を通じた交流」にどうリードできるのか、ここが焦点のような気がしています。吹田ごみ物語 書籍紹介その際には、ついつい急ぐ気持ちを抑えて「マイペース」の重要性を意識しつつ結局は目標に早く達することも大切にしないとならず、その絆となるのがわが「ニュース」なのでしょう。 次は300号ですよ!!

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参考 吹田ごみ物語は当時5つあった研究会
の内「社会的ルール研究会が担当しました。」

追記 土屋先生におかれては続編を記載され
る予定です。