環境問題市民講座「環境を考えるベースライン 一体何を守るのか?」を聴講して

2/28日勤労者会館にて、滋賀県立大の副学長であり、プラザの主担研究員もしていただいている土屋先生の講座がありました。紙数に限りがありますので、1枚に要約し紹介します。

@ 過去の政策について考える
1800年代のアメリカ、産業が始まった頃は、今と異なり、水車のネルギーを活用するために水車建設した人を守る法律とか、企業設立を認めるための法律とか、その都度作られました。儲けのために働く、と言う意識ではなかったのです。

A 現在について考える
現在、毎日世界どこかに25万人が増加していています、その人一人一人に食料と雇用と尊厳が与えられなければなりません、しかしこれは大変なことです。

B 水平性について考える
環境問題には水平性 (貧しい国と豊かな国) と 垂直性 (現在と将来) の問題があります、日本の様に豊かな国の人が「豊かになったからといっていいと限らないよ−」と言っても、貧しい国の人は、豊かになろうとします。それを阻止することは可能か? あるいは将来のために、現在の資源を使ってよいのでしょうか?

C 存在するものの価値を考える
人は森から必要な所を取って活用します(自分勝手なのですが)。 しかし食物連鎖は太陽地面からのエネルギーが上に上がっていくわけで、一つ欠けても全体に影響が及びます。例として鹿保護のため狼を駆除したらバランス崩れてしまいました(鹿が食物の芽を全部食べてしまったため)。つまり存在するものは、すべて、関連して価値があるのであって、我々は大地というベースなるもの、その連鎖の三角形を認識しなければなりません。
 
 

D 人間本位を考える
人は、ついつい万物の霊長と言う思い込みをします。しかし、インディアンの人たちは、動物より人
が上という、上下ではなく、円環で感じます。そういう意味での、動物開放論と言うべきか、人間本位がすべてではありません。

E 自己意識を考える
環境や社会を考える場合、自己意識、というのも重要です。 自分自身が人生の主役になっているか?と言う意識です。 でも、競争社会は管理を求めます、効率は管理を求めます。 果たして人はどこまで管理に耐えられるのでしょうか、自分が自分であり続けられるのでしょうか?

F 未来を考える
現在はものすごいスピードの時代で、少しの、脇見もできません。どこかで、ブレーキをかけなければなりません、東京の様な狭い地域に1300万人も住んでいるという、とんでもない集中状態も異常だと思われます。

 皆さん、以上の、豊かさ貧しさ、バランスとしての存在、人だけ特別でない、効率競争、そういった事々を、今後の環境問題を、考えるベース、にしていただければありがたく存じます。
  市民講座会場様子
土屋先生は結論出さずに、「皆さんに考える」形でお話されるとの事。先の見えない時代だからこそ、原点に戻って、「人とは何か?」のご指摘は今のこの瞬間大変意義のあるお話だと思います。どうもありがとうございました。       (文章 大垣)
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