環境ばなしとコント
講演「人に思いやりを、環境にやさしさを」を聴講して
             講師 : 桂  文喬 さん(落語家・3R推進マイスター)   
                                     市民研究員  綱島 勇
 当初、落語家と環境3Rマイスターがイメージ的に結びつきませんでした。
 開演に先立ち、当千里リサイクルプラザの徳野専務理事から、文喬さんは大阪府立大学経済学部卒で、落語家の中でも教員免許を持ち、博学で知られていますと講師紹介がありました。5代目桂文枝さんのご子息の家庭教師をしていたのがきっかけで入門されたとのことでした。
 また、文喬さんは吉本興業所属、教育評論家でもあり、環境問題、人権問題、子育て論、男女共同参画などをテーマに全国の教育機関等で毎年200回を超える講演依頼があり、好評を得ているそうです。
 本講演について感銘を受けた点を申しますと、落語家独特の笑いを交えながら話を理解させる話術でした。私の後ろの席に3人のご婦人がおられましたが、終始笑い声が聞こえていました。
 文喬さんが修業時代に師匠から教えられたこと、落語家として成功するためには「人をよく観察しなさい」、人がいい事をしたら真似をしなさい、ぬすみなさい、吸収しなさいといわれたそうです。環境問題にとっても個々の人間性が重要であることの関連で話されたのだと思われました。
 また、味のある人生を送るのに趣味(ストレス解消)・興味(して良い事、して悪い事に興味を持つ)・人間味(人に思いやり、やさしさ)
を挙げていました。
 文喬さんには男の子が2人おり、ある日小学二年生の弟が試験の答案用紙を持ち帰り、見るとゼロ点だった。問題は兄弟それぞれ8個の飴玉をもらい、兄が2個食べた。2人同じ数にするにはどうしたらいいでしょう。その答えが「やらへん」と書いてあったそうです。答案用紙
  
  
 
に「やらへん」はないだろうということで、兄弟並べて座らせ、8個ずつ飴玉を与えて、兄に2個食べさせた。弟に同じ数にするように言うと弟は2個食べてしまった。そこで、阪神大震災の後だったので神戸の長田区(文喬さんの出身地)に連れて行き、ボランティアが一生懸命に後片付けを手伝っているところを見せて、人の助け合い、支え合いが如何に大切であるかを教えようとした。万事このような話の進め方でした。
 環境問題にはお金がかかる。人の支え合いがないと環境問題を進められない。今日ぐらい・私一人ぐらい捨ててもいいだろうはやめて欲しい。もし、油200mlを捨てると、魚がすめる状態に戻すのに、バスタブの水(300リットル)200杯が必要、牛乳200mlでは11杯、みそ汁200mlでは5杯、米とぎ汁500mlでは4杯の水が必要であるとのことでした。
 文喬さんは環境省から3R推進マイスターを委嘱されています。各都道府県別にも1〜2名の3R推進マイスターがおり、研修会で80数名集まったが、文喬さん以外は大学教授、NPO法人の役員の方々ということでした。
 環境問題に関する行政の役割は規制とお金。企業は環境に良い商品。個人はできることを最低限やる、ごみの分別、ごみの優先順位を考える。このような話で締めくくられました。
 講演の後、桂 分喬さんと笑福亭 仁嬌さんの落語調コント「楽しくごみの分別」を楽しく拝見させてもらいました。

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